ストーリー
人間関係が希薄になった現代
人と人との絆、家族の絆を取り戻したい
東京・新宿のマンションに住む君原家は、信介(45歳)と
喜美子(40歳)、娘(14歳)、息子2人(11歳・5歳)の5人家族。一見ごく普通の家族だが、主の信介には大きな悩みがあった。長男の好太郎は<いじめ>の被害者、長女の絵里は逆に<いじめ>の加害者だったのだ。考え抜いた末、信介は思い切って山村過疎地への引っ越しを決める。家族が引っ越す先は岡山県の高梁市。携帯の電波が入らないことで不満が募る長女、虫が
怖くて仕方がない長男。そして父親の信介までもが、考えていた田舎暮らしと実際の生活とのギャップに戸惑うことになる。
インターネットさえ繋がっていれば仕事は出来る、とタカをくくっていたものの、やはり月のうち何度かは東京へ行かなくてはならないからだ。
引っ越してほどなく、君原家は「ターザン」の話を聞かされる。目撃した人が少ないことから噂が噂を呼び、畑の野菜を盗んだり、鶏の生肉を喰らっている怖い悪党だと言われていた。
「ターザンには気をつけなさい」
黒雲山には近づかないように注意される君原家だったが、なぜか次男の真琴は興味を持つ。想像が膨らむ真琴は、こっそり黒雲山に入りターザンと遭遇する。そしてその真琴を追って山に入った絵里や好太郎たちもまた、ターザンと遭遇することになり…。